「ねぇ、大空。私大空より好きな人ができたの。だから、別れよう」

電話口で私が言うと、大空はずっと黙っていた。電話の向こうの大空は泣いているようだった。

別れられれば口実なんて何でもよかった。
好きな人ができたなんて嘘。この時ほんとうは別れたいなんて思っていなかった。

でも今別れなかったらきっとこれから、私は大空を傷つけてしまう。そんなのイヤだと思った。だから今私は大空に別れを告げている。