店長は顔を上げて私を見て優しく言った。
『伊崎さん。じゃあ、簡単な面接をしますね。加藤さんから大体の話は聞いているから、心配要らないよ。緊張しないで、大丈夫だよ。』

私は『はい。』と答えたが、先輩は私のことをどんな風に言ったんだろう?なんて思った。


『何時から働ける?』突然店長は言い出した。

私は驚いて店長の顔を見ると店長はニッコリ笑って居るだけだった。

私は慌てて答えた。
『何時からでも大丈夫です。』

店長は頷くと更に質問した。
『土日も大丈夫?』


私は今度はゆっくり答えた。
『勿論大丈夫です。』


店長は自分で持ってきた書類に何かを書き込みながら私に言った。

『採用のお知らせは、2~3日中にご連絡します。それでは面接を終わります。』


私は『ありがとうございました。』と言って先を立って頭を下げた。
店長は慌てて自分も立ち上がり手を私に差し出して言った。


『宜しくね。』


私はその手を握って答えた。
『宜しくお願いします。』

店長と通用口まで来て、名札を返して店の方へ行くと、店は混んでいたが、先輩は私を見つけてウインクをした。
私はニッコリ笑ってペコリとお辞儀をして家路についた。