文が何故私にキスをしたのか。 傍にナーちゃんが居た。 私は拒めなかった。 文は私が拒まない事を知っていた筈だ。 それでもキスをしてくれた。 私は文を好きでいて良いんだよね。 唇に指でなぞり、文とのキスを思い出し、私は想いを巡らせていた。 あのキスに偽りは無かった。 それは事実だと確信していた。 でも、それと同時にナーちゃんの言葉が蘇る。 『アンタに文は渡さない。』