『何?!バイク好きなの?』と今ちゃんは私に問いかけた。
私は元気よく答えた。
『はい!大好きです!』


今ちゃんはニコニコしながら言った。
『女の子でバイクが好きなんて珍しいな。後ろに乗りたいだけとか?』

私は首を横に振り言った。
『オイルの匂いと、エンジンの音が好きなんです。でも、私背が低いから精々原付だけだけど……。』


すると、元木さんが低い声で優しく言った。

『オイルまみれになるとか平気か?』


私は照れながら答えた。
『平気です。寧ろ好きです。機械いじり。』

元木さんは今度は声を出して笑って言った。
『俺、この子気に入ったわ。俺等の話沢山聞かせて、バイク触らせて機械女子にさせようぜ。』


今ちゃんが私の頭をポンポンしながら元木さんに言った。
『俺の妹だからお手柔らかに。』

すると、元木さんや他の皆が驚いた顔で一斉に言った。
『マジで!!』


私自身も驚いて今ちゃんの顔を見たらすまして答えた。

『冗談ですけど、今から妹になってんの。』


みんな一斉に笑った。
私もつられて笑った。
そして、心のなかで思った。



私の居場所が見つかった。
私の居場所はここだ。





夜の香りが益々好きになった瞬間だった。