150m先の君へ


「ファイト~!!」


夏の太陽が照りつけるなかで
大きな声がグラウンドを飛び交う


一瞬一瞬に集中して
0.1秒の世界と闘う陸上競技というものが私は好きだ。


私の名前は
斉藤 千春 (さいとう ちはる)

陸上部長距離所属の中学二年生だ。


「千春~!今日のメニュー聞いた?」

この子は新長距離キャプテンの
中野 柚木 (なかの ゆずき)


「ちは!聞かん方がいいよ!だるいよ?」

この子はチームメイトの
浅野 真子 (あさの まこ)


「千春、勝負だね~」

この子もチームメイトの
和泉 梨花 (いずみ りか)


「先輩!1000mを三本全力ですよ!」
「ヤバくないですか?」

二人は後輩の
原田 沙織 (はらだ さおり)[上]
橋本 奈々 (はしもと なな)[下]


こんな感じで私の学校の陸部(長距離)は
私を含めて六人という少人数だ。


「マジで?みんな生きて帰ろうね!」


こんな風に冗談を言い合って、
みんな仲良しな、自慢の部員だった。



「千春ならやれるよな?何?俺が助けてやろうか?」