「みんな葵ちゃんの話ばっかりだな。」


隣で大好きなイチゴをゲットできて
テンションMAXの海人



「ああ。だけど俺には関係ねぇから。」


「ふっ。強がって。本当なら話の輪に入りたいんだろ?」


「べっ別に?海人こそ、真奈ちゃんのこと。」


「あぁ。好きだよ。
彼女は可愛いし、優しいし、

面白いくらい子供っぽいけどな。

意外としっかりしてるし

さすがボランティア委員長。

って感じだし。」





「まぁ、あの子は人気ありそうだよな。

あの雰囲気。
ガキみてぇに騒ぐけど

やる時やるしな。」




「でもまぁコクる気はまだねぇよ。」



「なんでだよ。」


好きなら告っちゃえばいいんに。



「まだ、友達として、様子見てぇんだ。

ってかさ。

お前葵ちゃんにまだ

あんなことする気か?」





「…あいつは友達だ。
幼馴染。でも、昔の俺とだ。

今の俺とは、ただのクラスメイト。」




「ふぅん。でも少しだけ変わったな。」


「…えっ?」



「嫌いじゃねぇんだろ?」




「…もともと嫌ってねぇよ。


あれは突き放す嘘だ。」




「素直なりゃ、楽なんにな。」




「何でもかんでも素直なったら


幸せぶち壊しになるわ。」




素直に話せば
なんでもすんなり行く


そんな綺麗事が
まかり通るような世の中じゃねぇだろ



幸せには
誰かが突き放して
素直な気持ちを塞ぐ


これが必要なんだよ。



多分な。




「さぁて。みんな。学校帰るよー。」




森ちゃんの掛け声で
片付けると
みんな学校に向かって

体育館を後にした。





こうして終わった俺の
初クラス行事



あいつの瞳に俺は

どう映ったのかな。







〜日向side end〜