手術中の赤いランプが点灯し
いよいよ
日向の闘いが始まった。
…シーンと静まり返る待合室。
日向のお父さん
花凛さん
冬休み中の
あたし、来夢、美香
さっき着いた
赤崎くん、湖南くん
そして話を聞いて
赤崎くんたちと共に
駆けつけてきてくれた
凪紗、真奈、希衣ちゃんが
静かに祈りを捧げる。
…大丈夫。日向なら
「葵ちゃん。
日向からもらったんやろ？
その手紙。」
「…っうん。」
「…中読んでみたら？」
「うん。…わかった。」
あたしはゆっくりと
封を開けた。
中には手紙と
小さなお守り
少し色あせちゃってるみたいだけど
「…それ。日向がずーっと持ってたやつ。」
「…えっ？」
「…引っ越す前に、大好きな人に渡すつもりだったけど、無理だったって
確か言ってたような…」
「…日向。」
あたしはお守りを封筒に戻すと
3枚の便箋を取り出して
ゆっくりと開けた。
…これが日向の想いだから
