「もーいーかい。」






遠くで聞こえるこの声






もう1分経ったのかな?






「「「「「もーいーよー。」」」」」





隠れたみんなが
一斉に声を上げる






あたしは小学校の校舎の陰に
隠れていた。



須藤 葵 (スドウ アオイ)


小学6年生



夏休み終盤の今日は
いつものように
友達とかくれんぼ





ただー。



「今日こそは見つかりませんよーに!」


毎回見つかるの早くて….



いっつも最初に見つかるあたし

下手くそなん、かな?隠れんの…






「はい。あーちゃんみっけ。」






祈るも虚しく
オニの日向(ヒナタ)にあっけなく
見つかってしまった。