…あとは仲間たちがしてくれる

飛鳥たちが


さくらが独りじゃないことを
あいつらが証明してくれるから。


「なんか1階が騒がしくね?」


「うん。そうやね。」



「さぁくらっ!」


「…飛鳥。…なんでまだっ。」


「ほら。みんなもいんぞ?」


「…わっ。みんなどうして…」



「さくら。用事は終わった?」



「…うっうん。」


「俺たち待ってたんよ?
さくらが来んの。」



「でも、みんな今日は放課後しゃぶしゃぶ食べ行くんじゃ…」



「もぉ。
さくら置いて行くわけないやろ?」



「そそっ。美咲の言うとおり!

まだ夕食の時間までまだあるし
普通に待ってたよ?」


「…みんなぁ。」

「ほら。さくら。泣かないの。

お前は俺たちの仲間だろ?

年が違っても

お前には俺たちが居んだから。な?」


さくらは下を向いたまま
コクリと頷いた。


それと同時に飛鳥にグーサインを見せた。


…もう大丈夫だよな?
俺が離れてもさくらは…


「さくら。言ったやろ?
お前は独りじゃない。
大切にすべき仲間が居んだ。

俺も昨日気づいた。
けど今からでも遅くない。

みんなと仲良く残り1年楽しめよ。」


俺はさくらの頭をぽんぽんと触ると
エントランスを後にした。




…さくら

君は強くなってる

たくさんの辛い経験が
大切なものを選りすぐり
今のメンツと出会って
大切にすべき仲間ができてる。


俺も偉そうなことは言えない。

だから一緒に頑張っていこう。


それぞれの道を歩いていこう。


友達であることには変わらないから。



あの仲間たちと
仲良くしていけよ?


1年後卒業する時に
仲間が離れ離れになっても
大切にすんだぞ?



…俺もさくらの仲間だから。



「次は俺の番。

大切にすべき仲間を
改めて分かった今

俺がするべきこと。


それは…」



俺は夕焼けの空に
思いを馳せながら

電車に揺られた。





〜日向side end〜