最悪の雰囲気から1夜明けた
翌日月曜日





隣の席に日向の姿は無かった。




「…結局。今日来なかったね。日向くん。」

「うん。昨日かなり険悪ムードだったし

会うの嫌になったのかも。

気まずかったんやない?

水曜日は来るやろ。

ってか絶対来させんと!!」



「あたし、日向くんに酷いこと言ったよね。
あんな辛い目にあってるのに…」


「赤崎くんから、詳しく聞いたん?」


「うん。あたしショックでさぁ。

なんかあたしたちにできることないかなって思っちゃった。」


「…できることねぇ。」


「…なら。これ、日向に渡してくんね?」

「湖南くん。」


「湖南くん。それはどうしたの?プリント?」


「おう。俺は真奈ん家に持って行くからさ。日向の分頼んだ。」


そう言って
湖南くんはあたしにプリントの入ったファイルを渡すと足早に教室から出て行ってしまった。



「葵。」

「過去を知ってしまった以上。
ほっとくわけにはいかないよ。

大事なDay3の仲間なんやけん。」



…日向の闇は深く
…日向が負った傷は
簡単に癒せるものじゃない。


でもだからって
何もしないなんて選択肢はないよ。


日向は今でも
病気ってものと闘ってるし

トラウマってものとも闘ってるはず



日向がもっと

前向きに生きていけるために
あたしができること



やってみるしかない!!!



「じゃあ、あたし帰るね。」

「うん。また水曜日ね?」

「うん!バイバーイ!!」


あたしは凪紗に笑顔で手を振ると
教室を後にした。