「…はぁ。」
俺は深くため息をついた。
俺が言う前に
花凛が言うなんて…
「…ったく。あの奴。」
…俺が伝えたかったのに
先越されちゃったよ。
「…おっ?」
こんなとこに
アルバム…
山積みにされたアルバム
しかもかなり昔の…
見たことないアルバム
なんでこんなとこに。
「…っ!」
”日向”
お袋の文字
俺はテーブルに乗せると
アルバムを開いた。
”4月3日
花穂(かすい)家 日向くん 誕生”
…俺の生まれた日
俺の本当の名前。
「…っ。お袋…」
そこには白い布でくるまれた俺
それを抱きかかえるお袋
隣にはパパさん。
手前には
まだ幼い花凛
「…ものすごく幸せそうな笑顔してんじゃん。みんな。」
ペラペラとページをめくる
18年前の俺
でもパパさんや
花凛、お袋が写ってるのは
この最初の1枚だけだ。
…お袋が写り出すのは
3歳の誕生日
親父とお袋と3人で
写ってて。
「…っ。お袋も親父も笑顔じゃんかよ。」
…多分この幸せが
ずーっと当たり前に続くんだと
この時は誰もが思ってたはずだよな。
でも実際は…
また俺はペラペラとページをめくった。
…小学校卒業
…中学入学
…卒業
どんどん
思い出が蘇る…
