「んーっ!」


あたしは駅のホームのベンチに座って
背伸びをする

いつもより2本早い電車

周りはスーツ姿のサラリーマンに

周辺の高校に通う生徒たちで
ごった返す。


「…はぁ。騒がしいし、、眠い…っ?」


女子高生たちの奥に見えた
見慣れた男の子
頭一つ出ていて…


「…日向。」


そこには紛れもなく日向の姿。


体育の時に着てる
いつものジャージに
ゆるっとしたリュック


先々週に入試のためとかで
黒髪にした髪が
穏やかに流れる
風になびく。



斜め後ろから見る
日向の姿は

かっこ良くて…


あたしは思わず席を立つと日向のところに駆け寄った




「日向。おはよー。」


「あぁ。おはよ。」



日向はダルそうに
返事をした。

…朝だから機嫌悪いのかな?



「…今日はここから乗って行くん?」

「…あぁ。」

「珍しい。いつもなら乗り換えの駅からなんに。」


「…ったく別にいいだろ?んなこと。…ほら。電車くんぞ。」


その時、ホームには
この時間帯限定の4両編成電車が到着した。