10月中旬

後期が始まって1週間が経った。


あたしは凪紗と学校までの道を歩いていく。



忙しなく人々が行き交うこの街にも
秋が少しずつ訪れてるみたいで





「もう。紅葉し始めたね。」




「ここのイチョウ並木。

綺麗だけどさ。道路が汚いよね。」





ずらっと植えられたイチョウの木

この時期は黄色い絨毯が敷かれたように
道路が一面黄色になる


実も落ちるから、
かなり汚いし
雨なんて降り出したら最悪。




「まぁ。時期が時期やし。仕方ないよ。」


「うん。あっそういや。赤崎くんの告白?どうしたの?」



…っドキッ



「うん。断っちゃった。」


「えーっ!それ本当っ!?」


「うん。だってさ。」



あの日

日向は
悲しそうな顔をしたから

そして…


あたしのこと名前で呼んでくれたら。



その瞬間
頭の中に蘇った


ひまわり畑でみた
日向の顔も同じような顔してたことと。


文化祭で見た
日向のあどけない笑顔


もっと近くで見たい。


なぜ日向が変わったのか
知りたい…



あたしの幸せには
多分日向が必要なのかなって。



今でも
日向の言葉に振り回されてる

でも嫌にならないのは…



大好きだから…だよね?


って。



追いかけなかったら
一生後悔するような気がしたんだ。