雨野は、いつも笑っている。

そして、優しい。


この前かって、男子がしんどそうにしているのをすぐ見つけ、

「大丈夫?無理しちゃだめだよ?」

「あ、あぁ。」


あ、そういえば、これも。

「悩み聞いて!お願い!」

「うん、いいよ。」

数えられないくらいやってる。


伴奏者決定のときは、ほんとうに雨野がよかった。

前に一回ちらっと言ったことがあったから。


「なにかやってるの?」

「ピアノだよ!」


俺が指揮をした理由は単純。

雨野といられると思ったからだ。