ーー旅館(その日の夜)

「好きな人いないのー?」

きた……。恒例の女子トーク。しかも、愛美ちゃんとも、まきちゃんとでもない、初めてのメンバー……。

馴れないぁ~。

「私は、○○くん。」

「私はー、前田君!!」

「じ、実は私も……」

「だんぜん青葉君でしょ?!」

「そーよー!あんな完璧な男いないわよ!!」


わぁーー。なんか、この感じだと言わなきゃいけないじゃん(泣)


「ね、ね?萌は?」

「ほえっ?!」

「あ、聞いたよ?熱だしたとき、青葉君に連れて帰ってもらったんでしょ?」

「あー、いいなぁーー。」


「いや、その…。なんも覚えてなくてですね。ただ送っただけみたいなんで。本人が……」

圧迫感がすごい……。


しばらく沈黙が続いてから、


「そっかぁぁぁぁ♡」

うわーー。なんなんだー?

いきなり、この人たちの周りに花が見える(汗)

“安心しました”みたいな?


でも、まだ自分の本音が分からないから、これでよかったかな。


「ね?今、自由に部屋に行っていい時間だから、男子のとこ行こうよ!」

「青葉君と前田君、一緒の班だってー。」

「うわー!ラッキー!!」

「萌も行こ!!」

「あ、うん。」

行っちゃうの~~?!