帰りの靴箱で、雨野と会った。


「あ…」

「よう。」

なんとなく、二人で帰ることに。


「青葉くんばいばーい!」

「ばいばい」

面倒だな……。


「すごいねぇー。ずっと思ってるけど。」

「近づきたいだけだろ?」

「うん、たぶんね。でも、青葉ってなんでも出来るじゃん。」

「そんな完璧じゃねーよ。俺は。」

「青葉の苦手なことってなに?」


横をちらっと見ると雨野がじーーっと見ていた。

「そ、そんなの雨野が探せよ。////」

「おー!じゃあそうする!」

ニコニコしながら言った。

「みんなが知らないこと知れたらいいよね~!特別ってかんじ!」

「あぁ。」


ほんと、雨野は自分がどんなこと言ってるか分かってんのかな。


「弱みにぎってなにもしねーだろーな?」

「しませんよ?内緒にするもん。」


あぁー。ずりーな、ほんと。


とりあえず、この時間は何倍も幸せだった。