優勝に導けなかったことが残念だった。


とりあえず、完璧に弾いてくれた雨野には謝っておいた。


だが、苦い顔はせず、満面の笑顔で

「私は楽しかったよ?それに、青葉のおかげで緊張とれたんだもん。ありがとう!!」

と、言ってくれた。


俺もありがとうと言いたかったが、女子に呼ばれ行ってしまった。


また言いそびれた。何度目だろう。


「よ!おつかれー!」

原口が飛びついてきた。

「あ、あぁ。」

「なんだよぉー。しょげてー。そんなに悔しかったのかよ?」

「んー、まぁ色々とな。」



すると、

「青葉くーーん!!」


たくさんの女子がきた。

「うぉ!でた!“青葉くん”!おめーも大変だな~。」

「そう思うんならなんとかしてくれよ。」

「ま、モテ期到来かな~♪」


あきれた。