その男の子の手は氷のように冷たかった。


「...とりあえず、うち入る?」


私が寒さに耐えかねたのか、

男の子の手の冷たさに可哀想と思ったのか、

どちらかわからないけど、気付けばそんな言葉を発していた。


「いいの!?」


子犬がしっぽを激しく振っている様子が目に浮かぶ。


この男の子を、捨て犬だと思ってしまったのかな...


鍵を開け、彼を家へと入れた。







ダンボールの中に座っていた男の子は、

身長が高く、端正な顔たちで笑顔が可愛かった。


「とりあえず、お風呂温まってるから入っておいで」


バスタオルと、何とか着られそうなスウェットを用意し手渡す。


「ありがとう」


「こっちだよ」と風呂場へ案内し、リビングへと戻った。


ザーっとシャワーの音が小さく聞こえた。



...さて、今の状況を整理しよう。