キボウ

準備が終わって病院を出るとき、小林さんが手を振ってくれた。


わたしは車椅子だけど、嬉しい。


病院から出ると、太陽がまぶしかった。久しぶりに吸う外の空気に、なぜだか、涙が出そうになった。


そんな事を知ってか知らずか


「夏恋、具合悪くねーか?」


と、明るく声をかけてくれる。


「へーき!それより、どこに行くの?」


一番聞きたかったことだ。


「内緒!いいところがあるんだよ!」


そういって!ゆっくりと車椅子を押してくれた。