力のない声は 誰にも聞こえない― 思わずつよく握り締めた右手 ―クシャッ 手の中の紙切れが音を立てる 開くと そこには 電話番号と名前がのってる 「翔(しょう) ??」 まったくだれかもわからない でも なぜか ケータイを取り出すわたしがいた――