望宇佐と走って5分後…

私の体力は限界に近づいていた。

「ゼェ…ゼェ…。」

そんな私を望宇佐は気づいたらしく

『おい、大丈夫か?俺、そんなに走るの早かったか?』

「ち、ちがうよ、私が体力ないだけ…。」

『そうか。ってか、ついたぞ。』

顔を上げるとそこは森の中だった。

「…森にきてどうするの?」

『あ?今から夜空学園に行くだけだが?』

「よ、夜空学園⁉︎どこよそれ!聞いたことないし!ってか、私の学校、朝陽学園なんだけど‼︎」

『知ってる。だが、お前はこれからは夜空学園の生徒だ。』

「は、はい〜〜〜⁉︎ってか、私、夜空学園の学生手帳ないから生徒にはなれないよ!」

『ああ、それなら問題ない。ほれ。』

そう言って望宇佐は私に金属で出来た、三日月型のストラップを私に渡した。

「…?何これ?」

『学生手帳みたいな物。それがあれば夜空学園の生徒とみなされる。絶対に落とすなよ。そのストラップ、俺の命なんだから。』

「いやいや、そんな大事な物渡さないでよ⁈」

『だって仕方ないだろ?俺はパートナーに命預けなきゃいけないんだから。』

「え…そうなの?」

『そーなの。とにかく落とすなよ!』

「わ、分かった。」

私はそれだけ言って三日月型のストラップを鞄にくくりつけた。

『よし、じゃあ行くか。』

望宇佐はそれだけ言うと、服の中から三日月型の水晶を取り出した。

「え?何それ?」

『まー、見てろって。俺の能力、見せてやるから。』

望宇佐がそう言った瞬間、水晶が光を放った