夫婦ですが何か?







「これでも成長したつもりだったんだけどなぁ・・・」


「まぁ、見た目は程よく老けましたよね」


「・・・老けたって・・・もうちょっとさぁ・・言い方・・・」


「いいんじゃないですか?見た目だけでも年齢差埋まってバランスとれたじゃないですか私と、」



さらりと、並んでいると示して言い逃げするように身を返したのに、すぐに絡み付いて引き戻しにかかってくる彼の指先。


でも想定内なのですよ。


そして振り返って捉えるのはきっと紅潮した・・・・。



「っーーーー」



捉えた表情は一瞬。


でも予想とは違った。


その顔の距離が埋まる一瞬に捉えたのは照れて悔しがる表情ではなく、フッと満足げに微笑んだ大人っぽい笑み。


そして密着した唇が僅かに隙間を開けると囁く。



「相変わらず・・・・・間が狡い・・・」



狡いのは・・・どっち・・・。


そんな急に大人びた反応を見せないでくださいよ。


いつまでもいつまでも私の言葉に一喜一憂して子供みたいに取り乱して。


でも・・・・こういうあなたも悪くないのかもです。


柔らかく角度を変えながらキスを重ねて、気がつけば背中が壁に密着する。


ゆっくりと静かに開いた顔の距離で視線が絡むとお互いにクスリと笑う。



「・・・でも、いいなぁ、2人目。・・・俺たちも今から励む?翠姫も寝てるし」


「残念ながら繁殖活動には及ばない日ですね」


「じゃあ・・・その日の為の予行って事で」


「・・・・昨夜は・・・・芹さんと何を話したのですか?」



再び寄った顔に待ったの手を唇に添えて、あえて意地の悪い質問で彼追及。


まぁ、聞いていたんですけどね。


でも、知らぬふりで問いかけたらどう答えるのかと疑問に思ったのだ。


問われればクスリと笑った彼が額を寄せて、少し考えるように唸ってみせると。



「千麻ちゃんが俺の運命の人だったって話」


「運命?・・・陳腐で・・らしくないですね」


「まぁ、俺たちもあの頃馬鹿にした恋愛の勝者って事で・・・・酔ってみない?」


「・・・・運命論・・・・語ってみますか?」


「ベッドでね・・・」




するりと外した指先。


すぐに重なった唇の感触に溺れて浸って手繰り寄せて。


改めて彼の存在を自分の近くに感じながら欲と熱に沈められた。


もう・・・『もし』なんて不安は抱かない。


あの選択のもう一つの可能性なんて・・・・存在しないのだ。





陳腐で勝者の馬鹿みたいな酔いしれた感覚かもしれないけれど。




信じてみましょうか・・・・私とあなたが運命というものだったと。








【人生の選択】










※リクエスト頂き、もう茜にとっては駆け引きなく千麻が一番だというお話を書きました。
少しでも茜と千麻の作り上げた関係が皆様の中でも強固されていますように。