しばらくして彼が起きてきたのはお昼頃で、彼も彼で眠そうにリビングに登場すると翠姫と遊ぶ日華の姿を確認してから視線を一周。
「あれ?芹ちゃんは?」
「二日酔いでダウンです」
「ああ・・・結構酔ってたもんね」
苦笑いで納得した彼が翠姫と日華のすぐ横に身を下すと頭を撫でながら遊びに参戦する。
そんな光景をどこか微笑ましいと感じながらコーヒーを淹れて、再度その光景を見ながら・・・・。
男の子もいいかもしれない。
不意に思った未来予想図に気が早いと自分で失笑。
彼にコーヒーを淹れたと促すと、ゆっくりこちらに戻った姿にカウンター越しにそれを差し出した。
「フフッ、男の子も可愛いねぇ」
「じゃあ、2人目は男の子ですか?」
「・・・・」
「何です?」
「いや、なんか珍しく・・・・切り返しが柔和だなぁ。と、」
「・・・・」
「いつもなら『無計画繁殖は致しません!』くらいな反応で返してきそうなのに」
「別に・・・・ただ、男の子も可愛いなぁ。と同調しただけです」
それ以上の深い意味はないと視線を逸らし背中を向けたのに、ふぅんと含みありげに声を漏らした彼。
それに対しても黙して背中を向ける事で流し、内心確かに自分の心に嫌味が不在だと焦ってしまう。
ああ、単純馬鹿にも・・・・昨夜の彼の言葉に心が寛大すぎる。
嫌味を心がけて過ごそうとおかしな誓いを立てて過ごす事半日。
さすがに動けるほどまでに回復したらしい芹さんがリビングに顔を出したのは15時くらいで、申し訳なさそうにその身を中央まで持ってくる。
「なんか・・・すみませんでした」
「もう大丈夫なの?芹ちゃん」
「多少の不快感は残ってますが動けないわけでもないので、」
「もしでしたら夕飯も我が家で済まされては?」
「さすがにそれは・・・」
『そうだね。久しぶりの家族団欒は自分の家であるべきだ』
一瞬その場の大人は全員顔を見合わせて、今程の言葉を誰が吐いたのかと探りの眼差し。
しかし低い声であったそれは確実なる男性の物で、女性陣の視線が集まったのは最初は彼。
でも『違う違う』と顔の前で手を振った彼を確認し、すぐに全員でリビングの入り口を振り返る。



