「・・・・千麻ちゃん、」
言って。
そんな意味を含めての呼びかけに、まだどこか自分を見失ったままの彼女は目が泳ぐ泳ぐ。
稀にみる女の子モードだ。と、心でガッツポーズかましてる俺もどうかと思うけど。
でもって・・・・久々にこれ・・・俺がSっ気出してもいいような場面じゃない?
そんな性質の悪い感情も浮上して、未だ頑なにその言葉を拒む彼女のウエストをなぞって刺激。
「っーーふぅあっ・・茜!!」
「おお、名前呼び~、本当に弱いよね、腰や背中・・・」
「・・っ・・・やめっ・・んっ・・・」
「素直になったらやめてあげる」
ニッと口の端を上げて意地悪な攻め込み。
執拗に弱点を攻める俺を非難するように睨むのに、やはり悶えて眉尻を下げる姿に今度は邪な欲が浮上する程。
その欲に忠実にそっと僅かばかりな胸の膨らみを確かめるように触れれば、どうやら・・・逆鱗。
やりすぎたと身に染みたのは彼女の持っていた雑誌で思いっきり横っ面張られた直後。
殴られた部分を抑えて蹲れば、怒りか羞恥かもはや判断つかぬ赤面で体を起こした彼女。
「な、殴らなくても・・・」
「調子に乗るからです」
「だってたまにはイチャイチャしたかったんだよぉ」
「じゃあ、満足でしょう?今充分にしたじゃないですか」
「甘い時間が欲しい!!」
「私は夕飯の甘すぎるカレーで充分です!」
言いながら雑誌を拾い抱え始める彼女。
その手を阻むように掴んで阻止すれば、今度は何だ?とばかりに睨みつけてくる。
「・・・・置いておいて・・・」
「はっ?」
「・・・・・どれが似合うか・・・俺も見る」
だからもう奥に仕舞い込まないで目に留まるところに置いておいて欲しいと、視線も絡めずに口にして残っていた雑誌を膝の上に持ってくるとページをめくった。
だって・・・少しでも千麻ちゃんの浮れてる感情を目に見えて感じていたいじゃない。
そんな心の内で華やかな雑誌の内容を見つめていれば瞬時に抜き取られ床に置かれた雑誌。
さすがに何の嫌がらせだ?と眉を顰めて顔を上げれば雑誌の代わりに膝に乗ってきて彼女に驚愕した。
きっと間抜けな顔だ俺。
両肩に彼女の腕の重みを感じて、こんな甘ったるい状態になったのに無表情の彼女に疑問が浮かぶ。



