それも嫌味に理解あるように微笑んで全てを言い切ったもので、口を挟むことも出来ず棘のある言葉を一身に受けた彼のもどかしい表情。
何を言っていいのか。
そんな風に戸惑い揺れるグリーンアイに苛立ちはもう見えない。
ただ言われた内容に罪悪感感じてどんどん落ち込んでいく様は感じ取れて。
ああ、私も・・・大概甘い。
このまま怒って放置して謝らせても良かった。
でも、違う。
謝ってほしいわけでもなくて、彼が悪いとかそういう事が言いたいんじゃない。
だって、彼は彼のなすべき仕事をしてきているだけ。
その疲れを気を抜いて露わに出来るのも自宅と言う場所だけなのだ。
だから・・・・。
静かな空間に溜め息を反響させる。
その吐いた息の音にも引け目を感じてその目を揺らした彼を覗き込むように近づいて額を軽く接触させた。
「・・・・と、色々言いましたが・・・本当に嫌味じゃなく、分かってますから」
「・・・・ん、」
「日々・・・私と翠姫の為に頑張ってくれてありがとうございます」
「・・・・」
「責めたいんじゃないんです。・・・・ただ、・・・私は今仕事の面であなたを助けられない」
「・・・うん、」
「でも・・・、だからこそ・・・、妻として夫のあなたのサポートを必死にしているって認めてくださいませんか?・・・・心配しているんです。せめて・・・・栄養はとって・・・」
「うん・・・、うん・・・・・」
「・・っ・・・・無視しないでください。・・・いつだって・・・あなたに尽力し支えてここまで来たんです。
必要とされない・・・、あなたにとって存在価値のない自分になるのがいつだって私の不安なんですから」
「必要だよ・・・・、」
響いた声に少し顔の距離を取って表情を捉える。
さっきまで戸惑いや焦りや罪悪感を映していた表情が多少緩和して申し訳なさそうに微笑んできて。
彼が口の端を上げたのがきっかけ。
それに対照的に口を不満げにへの字に曲げると眉根も寄せてじっと見つめる。
「どうだか・・・、最近は顔を合わせてもまともに会話もしてないし、むしろこうやって触れ合ったのだっていつぶりですか?」
「だって・・・千麻ちゃん、帰ってくると寝ちゃってるし・・・」
「また嫌味ですか?」
「ええっ!?だって事実だもーん!!だから今日は予想外に起きてて、久々の出迎えに変に戸惑っちゃったくらい」
「何で戸惑うんですか?」
「いや・・・何ていうか・・・」
何故か口ごもって視線を外す彼のやましさ全開。
それでもチラチラと私に戻す視線に呆れ半分で目を細めた。



