これは・・・非難されているのだろうか?
どうも判断つきにくいのは表情を読めないせいもあるし、声のトーンや言い方が疲労に苛立っているのか私に苛立っているのか。
労わりなのか、嫌味なのか。
そんな判断に迷う言葉に思わず黙して不動になっていれば、ようやくその腕が外れてのそりと起き上がった姿。
捉える横顔にも命一杯の疲労と苛立ちを感じ、隣にいるのにどこか一線引かれているような現状に僅かに戸惑う。
ピリピリとした空気が痛い。
何故気を遣わなくてはいけないのか。
そんな風に疲労を八つ当たりの様に見せつけられても困る。
疲れてるのはこっちもなんですが!?
と、込みあげかけた言葉をグッと飲み込んで熱を自力で下げるべく悶絶していれば。
スッと立ち上がった姿が無言でその場を立ち去ろうとする。
どこへ行くのかとその背中を視線で追って、
「どこへ?食事は?」
「・・・お風呂。・・・入ったらすぐ寝るからご飯いいや」
言いながら振り返るでもなく姿を消した男に一瞬呆然。
フォローや謝罪もなく一方的な疲労による苛立ちばかり残された空間。
シンと静かになる部屋に小さく浴室の扉が閉まる音を耳にして、今程無下にされたテーブルの上の食事に視線を動かしてぼんやりと立ち上がる。
力なくテーブルに近づいて、自分なりに考慮して作り上げたそれらを見下ろしラップの上をつついてみる。
仕方がない。
仕方がないのよ?千麻。
仕事で彼も疲れている。
こんな時間で食欲だってない筈。
それを受け入れて不満を言わずに支えるのが妻の役割で、仕事でしょう?
なんて・・・・、
誰が言うか!!
理解ある妻なんてやってたら精神異常になってしまうわ!
限界による決壊。
むしろここまで数日我慢していた自分が馬鹿みたく寛大だったのだ。
もう押し隠すことなく苛立ち露わに眉根を寄せて、長い髪をまとめていたクリップを外して髪を乱した。
思い立ったままに歩き出して着ていた服を脱ぎ捨てながらバスルームに向かい、相変わらず色気もない下着を躊躇いもなく脱ぎ捨てると扉を開ける。
絡む、熱気と湯気とさすがに驚き混じるグリーンアイの視線。
すでに湯船に身を置いて、突如中に入り込んできた私を双眸見開き見上げてきて。
ポカンとした姿を一睨み。
そしてすぐに視線外すとシャワーに手を伸ばし手早く髪や体を湿らせ泡で包み込む。



