いや、実際見透かされているのだろう。
彼の謎かけは結局のところ自分の見通した物との答え合わせと細かな足りない補足の確認でしかないのだ。
今だって、すべてを理解したような問いかけに『敵わない』と思ってしまった。
私が抱く感情やその順序までしっかり言い当て、話しやすいようにお膳立てして聞いてきたのだ。
私が不安を抱くことで苛立って、そんな感情に満ちる自分に怒っているのだと。
「・・・・・なんか・・・不安で、」
「うん・・・出産が?」
「違う・・・・・いえ、・・そうなのかも」
「でも・・・【みずき】は愛してるんでしょ?」
「勿論!・・・・っ・・でも・・・それも不安の一つで・・」
ああ、治まったのにまた感情が高ぶる。
自分でも理解する感情の波の再来に心臓が強く跳ねて怯えるのに、瞬時にスッとそれを沈める彼の抱擁。
キュッと抱きしめて首筋に唇を当てるとそのまま言葉を紡いでくる。
「うんうん、・・・・落ち着いて・・、疑ってるんじゃないから・・・・」
柔らかく優しい声にゆっくりと心が穏やかになって、そしてポロリと頬に涙が零れる。
「・・・疑ってるのは・・・・私なんです・・・・」
「・・・・うん?」
「確かに・・・・愛おしいと思っていて、・・大切で、抱きしめるのを楽しみにしていたのに・・・・」
「・・・・・うん、」
「急に・・・急に不安で・・・・」
「・・・・・何が不安になったの?」
「・・っ・・・・・・私・・・ちゃんとした・・・完璧な・・この子の母親になれるのかな?って・・・・・」
ああ、一つ目の感情の暴露。
まずは根本になっていた不安を彼に零せばすぐに追いかけてくる感情がある。
そんな不安を抱くなんて母親失格だと。
そして到達するのは本当に愛しているのならそんな不安抱かないはずだと追い詰められて。
自分によって追い詰められた自分が今度はそんな考えを抱いた自分を責め始めて。
そして・・・自分に対して憤る。
疑いも強まって・・・・、
自分が本当に母親になる資格がないのじゃないかと不安になってループにハマる。
それが今の私のカオス。
そしてそんな不安を抱いている時にお腹が張ると、焦燥感働き痛みが治まるのを念じてしまうのだ。
こんな不安定な中で産むのが怖くて。
こんな中で産んで・・・・愛おしいと思えなかったら恐いと・・・。
何よりも歓喜して愛したい存在だから。



