でも確かにこのままでは話が進まないと、なるべく自分の意見を後回しにしようと心に決め、続きをどうぞ。とばかりに手を差し出した。
「まぁ、それが茜だから」
「・・・・いきなり結論ですね。重要な間が抜けている様な」
「・・・・さっきさ、何であいつが芹ちゃんにあからさまに絡んでいったんだろうね?」
「・・・・・・芹さんに未練たっぷりだからです」
「あっ・・・・、まぁ、・・・それも・・か」
自分で投げかけたくせに私の返答に変に納得し視線を泳がせる雛華さん。
『それも』何もそれしかないというのに。
雛華さんには悪いですが、あの時の芹さんを見る彼の眼差しは【大好き】光線の何物でもないですよ?
隙あらば傍にいたいって下心満載じゃないですか。
「結局、雛華さんが何をおっしゃりたいかは理解できませんが。結論は断言できます」
「結論?」
「私と彼の婚姻には一般的な愛の感情はないのですよ。敬愛はあるかもしれません。あとは信頼?」
「・・・・それは千麻ちゃんの考えだよね?」
「いえ、彼も同じです。形ばかりは私を求めますが、ここに来れば一目瞭然。本当に愛した存在と私では量りにかけるまでも無いのですよ」
言いながら姿は確認出来ない部屋の奥を見つめ結論を口にする。
だけどもその事実に悲哀するわけでもない。
ああ、やはりと納得しただけ。
やはり、彼が私に向けるのは彼女とは違う感情なのだと。
「私は・・・芹さんの様に純粋で可愛らしい女にはなれませんから・・・」
ああ、コレは余計なひと言だっただろうか?
響きによってはない物ねだり。
でもどこか偽れない羨望。
あんな風に素直で純粋でひたむきであれば、雛華さんにも彼にも愛されていたんだろうか?
そんな思考は当然為し得ない今更な事柄だけれど。
どんなに足掻いてももう築きあげられた自分を壊し一から作り直しなんて出来ない。
私は私なのだ。
ゆっくりと庭の緑に視線を移す。
少し暗くなった思考を浄化させたくての行動。
目にその緑が焼きついて、綺麗なグリーンアイが移ればいいと思った。
その瞬間、頬に絡みついてくる熱に驚き。
すぐに意思関係なく動かされる顔。
驚き見開いた双眸にぐるりと景色を動かして映し、止まった瞬間に絡んだのはさっきの緑に類似するグリーンアイ。
そして頬笑み。



