それに怯むでもなく、ただ腕を組んだまま色々な感情で揺れるグリーンアイをじっと見下ろす。
馬鹿ね・・・・。
「・・・・自己嫌悪に落ちるのは勝手に、八つ当たりも程々に。私は・・・使えないキッチンのせいで空腹な体を癒すためにコンビニに行ってきますから」
「・・・っ・・また嫌味・・・」
「嫌味が不快であるのなら戻るまでにキッチンを片付けておいてくださいね」
「・・・・」
最後まで冷静に言葉を続けると、不満あらわに立ち上がった彼が私の横をすり抜けて扉に向かう。
その姿を振り返るでもなく思い出したように補足。
「あっ、材料を無駄にしたくはないので・・・アップルパイらしき物は捨てないでくださいね」
そう告げれば一瞬だけ立ち止まったのを気配で感じ、でもすぐに部屋から消えてキッチンからかちゃかちゃと音が響き始める。
その音を聞き入れて、クローゼットから羽毛のダウンを羽織ると財布だけを手に玄関に向かった。
ここ数日冷え込んで滑る箇所もある道を考慮して、かかとのない暖を取る事と滑り止めが主のブーツを履いて。
浮れる歌なくキッチンの物音響かせる部屋を振り返ってから玄関を抜けた。
瞬時に肌に冷たい冷気に目が細まる。
吐く息が白く広がって、無意識に労わるように腹部を掌で撫で困ったように口の端を上げる。
「・・・・・困ったパパなのよ。・・・みずき」
そう呟いて歩き出しマンションを抜けると近すぎず遠すぎないコンビニに歩みを進めた。
空気が肌に突き刺すように触れて、視線を上にすれば曇天の空。
今にも白い塊が落ちてくるのではないかと意識しても、まだ視界にそれは捉えず。
そうこうしていれば苦もなく通いなれたコンビニに到着する。
入店すれば浮れた音楽が来店を示し、今日と言う日の定番であるサンタ服の店員が『いらっしゃいませ』と声を張る。
当然店内のBGMも今朝から散々聞いた楽曲続きで、来年の今日までは聞きたくないと思うほど。
そんな店内を突き進んで、冷蔵コーナーの前に立ち、次いで冷凍コーナーの前に立った。
目的としていた物は楽に入手出来、あとは何か雑誌でも買おうかと雑誌コーナーにその身を寄せた。
並ぶ多数のそれらを手に取って、パラパラと内容確認をしながらの品定め。
何冊目だったか。
同じように内容確認をしていた自分の耳に響いた音に視線をあげた。



