だって、結局はこうして彼女から結婚の申し出をしてきたんだ。
何故ことごとく俺の申し出が却下されたのか答えを求めて見つめてみれば、彼女が溜め息交じりに答えを告げる。
「まず、・・・・結論ばかりで目的がない」
「はっ?」
「『結婚しよう』『俺の物になって』・・・、で?その後は?という接続される言葉がなくて、なんか乗り気になれませんでした」
「・・・・・成程、それについては反論しないや」
確かに彼女が言うように結論ばかりのセリフでそれを求めていたけれど、結婚して何々しようという具体的なセリフがなかったのか。
確かに反省すべき点だと頷いて納得していたけれど、同時に浮上した疑問に視線を今程はめられた指輪に移していった。
「じゃあ、・・・何で千麻ちゃんからプロポーズしようと思ったの?このタイミングで。元々いつ渡すとか予定してたわけじゃないんでしょ?」
「・・・・まぁ、永久に仕舞い込んでても良かったんですが」
「良かった・・・こうして俺の手にはめられて」
ぞっとするような一言だと苦笑いでその指輪の手をぎゅっと握りしめる。
返すつもりはない。と言うようにしっかりと。
そんな俺に呆れたように笑った彼女がようやく明確な回答。
「・・・・・あなたの口からようやく私個人を求める様なプロポーズでない言葉が告げられたので」
そう言うとニッと微笑んで俺の新しい指輪に触れてくる。
トンと触れた感触を感じながら彼女の言葉に当たる自分の発言を回想して、そして弾きだした答えを彼女の目をまっすぐに見つめて再度明確に響かせる。
「・・・・・俺と・・・家族になってください。
・・・・お腹の子も・・・永遠も一緒に・・・・・」
明確に・・・それでもそれが正解なのかどこか緊張して改めてその言葉を告げれば。
あっ・・・・小悪魔が柔らかく微笑む。
滅多に見れない女王様の女神の微笑み。
「・・・・・フフッ・・・喜んで・・・・・」
あっ・・・。
胸がざわめく。
ようやく得られた返事に歓喜して、目の前の存在が狂おしい程愛おしくて。
駄目だ・・・歯止めがきかない。
もう視界にとどめるだけじゃ満足できなくなり、ゆっくりと近づいて彼女を引き寄せ抱きしめる。
抵抗もなく、必然な事だったと言うようにそれに身を任す彼女が俺の腕の中で小さく笑う。
その声すら自分だけの物だと、閉じ込めるように腕に力を込めると。
「・・・・・私のプロポーズには返事はなしですか?」
その言葉に小さく噴き出し腕の力を緩めると顔を覗き込んだ。
上目遣いの顔が可愛いと思うと同時に、初めて彼女を好みだと感じた瞬間を思い出して前髪に触れる。



