「だから、可愛い【みずき】は大丈夫そうかなぁ?って・・・ママ?」
そう言ってにっこりと微笑み怪訝な表情の彼女のお腹を指さして見せれば、さすがに理解したらしい彼女の驚愕と言ったら。
滅多に見れないくらい驚いて大きな目を更に大きく俺に見せる。
「まさか・・・・この子の名前とか言います?!」
「That's right!【みずき】男の子でも女の子でもいい名前~」
「ふざけてます?」
「何で?超大真面目だし」
「水城 みずきっておかしいでしょう!?」
「だって・・・大道寺にする気満々だし。この名前なら子連れ離婚もしにくいでしょ?」
「相変わらず小狡い策士」
「はっは~、いくら詰られても逃がすもんか」
呆れなのか怒りなのか冷めた眼差しで俺を非難する彼女に痛くも痒くもないと笑ってみせると。
大きく溜め息をついた彼女が物思いにふけるように一点を見つめる。
その横顔ですら何かの芸術品の絵画の様で。
やはり自分の手中に収めて閉じ込めてほしいなんて願望が浮上する。
欲しい・・・。
心底・・・・・。
「家族に・・・・・なりたいのにな・・・」
ポツリと言葉を零して彼女の頬にその手を伸ばすと、ゆっくりこちらを振り返った姿が確かめるように見つめてくる。
意図は分からないけれど、その視線に怯むでもなくただ見ていたくて見つめていれば。
「・・・・・いいですよ」
凛と静かに短く響いた彼女の声。
それに理解が遅れたのは自分も特別返事を求めての言葉でなく、感情的に零した言葉だったから返事が来ると思ってなかった。
そしてきたにしても・・・えっ?
予想外すぎて判断に迷う間心底間抜けな顔をしていた気がする。
それでも自己判断ではどうにも解決できないとようやく口を開いて声を響かせた。
「えっと・・・・、何?・・・俺の物に・・・なってくれるの?」
「嫌です」
「意味わかんない!!期待したのに!!」
そう期待に満ちて確認を入れれば、相も変わらずバッサリと否の返答に困惑する。
じゃあ、今の響きのいい返答は何だったんだ?!
俺の幻聴か?!
そんな事を頭を抱えて考え込むと、その横で小さく笑った彼女がタオルケットを体に巻き付けてベッドを降りた。



