終わるなり俺の横にグダッとしてうつぶせに倒れ込む彼女を、逆に体を起こして見下ろして見る。
背中に散らばる髪の毛がいやに扇情的で、見惚れながら癒すようにその頭を撫でてしまう。
「・・・・何ですか?」
「ん・・・愛でてるだけです。可愛いなぁ。って」
「・・・もう聞き飽きました」
「俺は言い飽きないもん」
その言葉にさほど効力はないと言いたげに呆れた響きを口にした彼女に、自分は言っても言い切れない程だと反論してニッと笑う。
だって可愛いし・・・。
そして不意に思い出した情事中の一瞬。
それを確かめるように自分の左手を確認しながら彼女の背中に言葉を落とした。
「ねぇ、」
「・・・・はい?」
「何でさ、さっき俺の指輪に触ったの?」
あんな風に意図的に触られるのは滅多にないから印象強く残っていて、何か意味があるのかと確かめるように彼女を見下ろせば。
うつぶせのままちらりと俺を視線で確かめ、それでも表情そのままにあっさりとした返答。
「確認しただけです」
「確認?何?俺が千麻ちゃんの物かどうか?」
「別にあなたを所有してませんが」
「俺の心はいつだって君の物だよハニー」
「・・・・・・私のつわりを再開させたいんですか?」
暗に気色悪いと言いたいのか?
この野郎。と思っても惚れた弱み。
渋々押し黙っていじけた反応しかできず、きっと彼女はこの姿に満足して心ではほくそ笑んでいるんじゃないかと思ってしまう。
でも本当に体調は大丈夫か?と、今更気になり再度視線を向け、顔色を確かめるように彼女の顔を覗き込んだ。
「・・・・何ですか?」
「千麻ちゃん元気?」
「つわりなら今のところセーフです」
「じゃあ、【みずき】は大丈夫そう?」
「・・・・・・すみません。文法がおかしくて理解不能なんですが。あなたの方こそ大丈夫でしょうか?」
俺の問いかけの意味が分からないと怪訝な表情でようやく体を起こした彼女が、顔にかかっていた髪を耳にかけながら疑問の投げ返し。
うっかり彼女の仕草に見惚れていたけれど、早く答えろ言いたげな彼女の視線に気がつきクスリと笑う。



