目の前で心底失敗したぁ。と言いたそうに頭を抱える彼女に怒っていいのか嘆いていいのか。
実際こうして一日の大半をソファーで過ごす様になっているくせに。
そして気になる。
「・・・千麻ちゃん、また痩せた?」
「・・・かも、しれませんねぇ」
僅かに眉根を寄せ非難する様に声を響かせたと言うのに、特に堪えた様な反応見せずな彼女はまたひとさじ掬ったアイスを口に運ぶ。
その間に溶けかけのアイスが滴って自分の手に流れたのを、「あっ、」と言いながら少し青くなった舌で舐めとる姿に眉根が離れた。
可愛い。
と、言うより・・・エロい。
そう思って簡単に疼く欲に忠実に彼女を見つめ、でもすぐに『違うだろ』と自分を叱咤。
「ちゃんと食べなきゃダメじゃん」
「今こうして食べてるじゃないですか」
「俺が食べれそうな物買って来たからでしょ!?」
「その言い方だと、さも自分がチョイスした様な雰囲気ですが。電話で聞き出して本来の仕事投げ出しての押しかけでしょう?」
「でもでも、そうしなきゃ案の定だったじゃん」
淡々と感謝もなく呆れた反応で指摘してくる彼女に軽くムッとして言い返し。
現状ままなっていない姿を示す様に指させば、興味なさげに自分の身体に視線を落とした彼女が一言。
「あなたに心配されなくても死にはしませんよ」
クール・・・。
あまりの外野扱いに一瞬呆け、それでも正気に戻ると悲哀なのか怒りなのか分からぬ必死。
だって、
だって、だって、さぁ!!
「千麻ちゃんっ!?ってか、もっと頼ってよ!心配させてよ!?」
「はぁ・・・、暑苦しいですね」
「っ・・・だから、その反応〜!!」
勢いよく身を乗り出して迫って見せれば、露骨な溜め息と外された視線に心が折れそうになる。
それでも負けるもんか。と、見つめぬく。
ここは何を言われても引くわけにいかないでしょ?
そう・・・、引けるかよ。
「別に病気でもあるまいし、あなたが大げさに心配して世話やく必要はーー」
「あるでしょ!!
悪阻で苦しんでる恋人の心配して何がいけないのさぁっ!?」
「・・・はぁ、」
「ママに栄養取らせるのもパパの仕事なんですぅ!!」
「・・・・・力説で父親の鏡の様なセリフ吐いてますが。・・・現状、【夫】じゃないんで、よって【パパ】でもないし」
「揚げ足・・・」
「・・・それに、私は一言もあなたの子とか言ってませんが?」
「千麻ちゃん!?さすがにその意地悪はキツイ!!」
それは、現状俺には確かめ不可能な生命の神秘で、言われるとどんな男でも多少焦るセリフであると思う。
妊娠中の現恋人に言われたら・・・ね。



