『千麻ちゃん、俺ね~、ただの男になっちゃったぁ!』
「・・・・・・はっ?」
『魔法使いでも、その弟子でもなくなって、』
「・・・・」
『・・・・・・副社長も辞めちゃったぁ!!』
「ーーっーーーーーーーーーーーーーー!!!」
思わず携帯を落とさなかった私・・・ナイス。
耳を疑うような衝撃に驚きの声すら上げられず、それを告げた本人は何故か楽しげな声で電話の向こうに存在する。
副社長・・・・辞めた?
はっ?!
「はぁっ!?な、だって・・・えっ?じゃ、社長就にーー」
『ううん、父さん健在』
「・・・・・意味が分かりません・・・」
『だからぁ、言ったでしょ?ひーたんが頑張ってるって』
その言葉に記憶の回想。
確かに彼の口からその言葉は聞いていて、それでもこんな意味だとは思わなかった。
つまりは雛華さんが今あの会社の副社長で、じゃあ、まさか・・・、
「・・・・ニートで犯罪者?」
『・・・・ねぇ、なんかどっちも語弊がある響きだよね』
若干・・・いやかなりドン引きで恐ろしい事実確認を口にすれば、さすがに声を濁した彼が不満そうに切り返した。
『正確には・・・俺とひーたんの立場が入れ替わっただけ』
「そ、そうは言ってもいきなり・・・副社長業務なんて雛華さんが突然できる筈・・・」
『大丈夫大丈夫、嫌味だけど有能な秘書がついてる・・・し?副社長の就任パーティー・・・盛り上がってるみたいだねぇ』
「・・・・・・・・っ・・!!嘘でしょ!?」
『あはははは、その反応~!!予定通り~』
彼の遠回しだけどもたっぷり含み有の言葉を頭で解読して、突き当たる答えにかなりの衝撃。
そしてまだ困惑する部分もある。
「恭司が雛華さんの秘書してるんですか!?」
『あっ、名前呼び面白くない~』
「そんな事どうでもいい!!だって、・・・だって、私が任された彼の仕事は確かに大塚の仕事でーー」
『うん、それ大塚の仕事だもん。本来彼がこなすはずの』
「・・・っ・・・降参です。すみません、一から話してください」
理解不能だと頭を抱えて白旗を上げれば、満足そうな彼がクスクスと笑っての種明かし。



