ーーーーDREAM NIGHTーーーー
お風呂上がりの髪の湿気が程よくタオルに移行したのを感じる。
生乾きの髪が毛束をいくつも作って重く揺れ、冷蔵庫から取り出したビールを口にしながらパソコンの前にゆっくり座った。
しばらく動きのない画面を見つめ思いふけって、ちらりと時々時計を確認する。
23時15分過ぎ。
今日と言う日があと45分もないという現実。
それを目の当たりにすると小さく息を吐いて、手に持っていたビールを一口飲むと視線をPCに戻していった。
返却されたUSBメモリ。
データは特に変化なく、私が仕事した時のまま保存されていて問題はない。
ただ一つ気になる点を上げれば、記憶にないロックのかかった文書がある事。
明らかにあの悪戯っ子の仕業だろうと推測して、自分なりに開かないかとパスを打ち込んで全敗。
もうこれは彼が事を起こすまでどうにもならないのだと諦め、彼の残した言葉を馬鹿みたいに信じて待ってこの時間。
私も馬鹿だ。
いくら期待したって私の望みが叶うはずもない。
なのに彼のあの笑みに乗せられこうしてまた小さく期待して待っているんだ。
また・・・・傷つくかもしれないというのに。
そして・・・・、
「それも確定かもね・・・・」
あれから全く音沙汰のない彼に徐々に気持ちが落ちていき、迎える時間に自ら予防線を張って言い聞かす。
魔法なんてない。
奇跡なんて起きない。・・と。
言い聞かせ息を吐くと何の気なしに視線を走らせ部屋を見つめる。
居候している恭司の部屋。
シンプルで居心地が良くて。
ああ、この夢が終わった時には本当に恭司と一緒になる事を考えてもいいかもしれないと小さく口元に弧を描いて。
その家主と言えば、今日は会社の重役の就任パーティやらなんやらで不在の現在。
きっと流れ込んで2次会3次会だろうと前から言われていたからこの時間の不在に焦るでもない。
それでも、こういう時の一人程落ち着かないものはない。
嫌味な反応でも傍にいて気を紛らわせてほしい物だと、PCの前から移動しソファーに倒れ込むと顔を両手で覆ってしまう。
しばらく不動にそうして、でもすぐに体を横にすると携帯に表示されている日付を確認した。
「9月28日・・・・か、・・・・まだ」
確かめるように呟いてぼんやりと物思いにふける。



