夫婦ですが何か?




会計を済ませ結構長めにいた店内を後にし青空の下に出る。


置いてきぼりに多少腹が立ったのもあって会計中の彼を置き去りにして先に外に出たが正解かもしれないけれど。


ざまあみろ。とばかりに先にバイクのところに戻ってその身をバイクに預け待っていたのに・・・。


来ない。


なんか、この状況にもデジャブを感じる。と目を細めて未だ姿を現さない店の入り口を見つめ彼の登場を待った。


出てくる時にすでに会計していたのだ。


決してそんなに遅くなる要素はないというのに。


まさか姿のない私を探して店内を巡っているんじゃないかと不安になると再び来た道を戻って入口をくぐった。


再度場違いな空気を感じレジを見てもその姿は無く、私の予想通りに店内徘徊かと靴音早く歩きぬければ。


一瞬通り過ぎかけた通りを逆戻り。


そして改めて覗いた通路にしゃがみ込んでいる犯罪者的男を発見。


そしてその手にあるのはこれまた装いに不似合いな複数のリボン。


はぁぁ、と溜め息をついて近づいて、腕を組んでその姿を見下ろして立った。



「・・・・何してるんですか?」


「いや、どれがいいかと、」


「いつからそんな少女趣味に?」


「千麻ちゃんならどれが可愛いと思う?」



ああ、またそうやって投げかけて・・・。


さっきと類似する時間に渋々その身を隣にしゃがみ込ませると、彼が迷いに迷っているリボンの数々を眺め視線を走らせる。


確かに問われれば迷う。


種類も形も豊富すぎて。



「細さは?」


「ん~、指の幅程度が好ましい?」


「硬さは?」


「柔らかめで針金やワイヤーないやつがいい」


「・・・・・なら、私でしたらこれを選びます」



そう言って条件を絞って選んだリボンを抜き取り彼に差し出した。


受け取った彼が軽くサングラスを下げてそのリボンを確認して私を見つめる。


少し緊張したのはサングラスが下げられたままだったから。


絡んだグリーンアイに反射的に視線を逸らして動悸に耐える。


そして再確認。


ああ、まだやはり・・・・消えたわけでないと。


それを彼も気がついたらしく『ごめん』と小さく口にした後にサングラスをかけ直す。


謝る対象じゃない。


生まれ持った体質に責任を感じる必要な何もないのだ。