「っ・・・相変わらず・・・。
屁理屈並べて私を追い詰めて楽しいですか!?あなたはいつだってそう!!私のその時の感情や意見は丸無視で、あなたの持論がすべて正しいと押し付ける!!」
「・・・・・で?」
「感情的で我儘でっ・・・・、あの時だって・・・、離れたいって言った時だってまともに聞き入れずに私を更に追い詰めた!!」
「・・・・・・だね」
「自分の意見も通らず、息を抜く場所もなくて、追い詰めて、追い込んでっ・・・・・、
あの子がいなくなってしまったのだってあなたのせいです!!」
あっ・・・・・・。
急速に冷静さの浮上。
上った血が下がって、ぼやけていた現実を捉えはじめて今度は下がりすぎる血。
ずっと厳重に閉じ込めていた言葉を思わず弾いた唇を凶器のように恐る恐る触れてやっと知る。
自分の体が震えていることを。
言って・・・しまった。
違うと分かっているのにずっとどこかでこの感情もあって。
流れてしまった理由をどこかそのせいにしようとしていた自分を露見した。
最悪な責任転嫁。
いや、言葉が違うか・・・被害妄想?
とにかく、彼のせいではない。
あの精神的に追い詰められた日々が原因だとしても、彼のせいではない。
分かってるのに・・・・。
いなくなった理由が必要で。
それがないとやり切れなくて。
そうどこかで思う事で憤りを誤魔化して過ごしてきた。
そんな嫌な女である自分を・・・今、見せてしまった。
彼に・・・・。
どうしよう・・・・顔を上げるのが怖い。
言い放った瞬間に防衛本能働いてか下を向いた顔。
自分の爪先と地面をただ見つめ恐ろしく強く早い動悸に耐えて苦しくなる。
ねぇ・・・お願い・・・。
お願いだから・・・・、
「大好きだよ・・・千麻ちゃん」
思わず弾かれた。
言葉の響きを疑って、怪訝な表情だったかもしれない。
でも本当に信じられない言葉の羅列に顔を上げれば、懸念していたような彼の傷ついた表情は捉えることはなく。
むしろ・・・。
サングラスをしていても分かる。
柔らかく・・・微笑んでいるって。
それも嘘偽りのそれじゃなくて、本心からの。
でも理由が分からないと困惑のまま見つめて、ふわりと横から風が吹いた拍子に髪が巻き上がり、ゆっくり戻り始めた長い髪が数本程肌に張り付いた瞬間に自分の涙に気がつき触れる。



