確かに言われるように体力的疲労ではなく精神的に疲れている。
色々と不意打ちで過去の問題を引っ張りだされて、強制的に体に馴染まされていく時間の反動が今まさに襲い掛かっている。
だからこそ恭司が頭を撫でた瞬間に不満を漏らそうと思っても口から零れず、逆にその手のぬくもりに眠気が誘われたほど。
「・・・・・悔しいけど・・・・眠くなった」
「そう、じゃあ扇情的な時間はまたいつかの機会に保留でいいね?」
「・・・・嘘つき」
「・・・・俺は嘘は言わない」
「・・・・そうね、・・・・あなたは言葉遊びが好きなチシャ猫だものね」
「・・・・明日はワンダーランドでしょ?今のうちに・・・ゆっくりお休みアリス」
「・・・・・・フフッ・・・あなた・・って・・・本当に・・言葉遊びが・・・・・・」
『好きね』
そう言おうとして結果言い切れずに目蓋が下りた。
意識の閉幕。
それでも嫌味な男の手のぬくもりは嫌味でなく優しく安堵するものだと感じた。
違う・・・ずっと知ってた。
どんなに嫌味でも、意地悪でも、恭司は最後は絶対に私の味方で。
どんなに親切な言葉をかける人達より的確に本心で私を奮い立たせる。
だから・・・別れてもこの人にどこか縋ってしまうんだ。
『・・・・・・我慢してるこっちの身にもなれよ』
薄ら、恭司の声がした気がした。
言った言葉は分からない。
本当に言われたのかも分からない。
でも・・・・この声も私に安息を与える物だと感じた。



