「・・・・・今更・・・同情引く様に泣かないで」
「・・・・」
「そんな風に・・・・何事もなかったように近づいて、笑って、泣いたら・・・・あの時の辛かったことを帳消しにでもすると思ってるんですか?」
「・・・・千麻ちゃん、」
「そんな・・・、そんな軽んじた物ですか?私のあの時の心情は!?」
「違う・・・・・・、軽んじたんじゃない」
「じゃあ、・・・何だっていうんですか?・・・・・やっと、やっと作り上げた私の時間をあっさり崩しに来て・・・・。
・・・・私は・・・・・一生忘れない。
あなたとの絆を得て歓喜して、最高に幸せだと思った瞬間をあっさり失った・・・・・・、それも・・・あなたの裏切りの言葉と一緒に・・・」
「・・・うん・・うん、分かってる・・・ね、落ち着いて・・・ちゃんと息をして・・・・」
気がつけば完全に感情的、平常心なんて嘘でも作れずあの時間に類似する悲哀がこみ上げて息苦しい。
荒れた呼吸で思い出せば今も許せないあの瞬間を口にして彼を非難して。
ああ、こうなりたくなかった。
会ったら絶対・・・・あの時言い切れなかった不満をこの人にぶつけてしまうと思っていたから。
全てが彼のせいではないのに・・・・失った物が大きすぎて、取り返しがつかなくて・・・・。
そのやりどころのない悲哀や憤りを全て彼のせいだと決めつけて。
「あの時・・・・・・誰よりも先に悲しんで、・・・支えてほしかった・・・・」
「・・・・うん、」
「病院で顔を見た瞬間・・・・・、不安で困惑している自分の身を預けようとしたの・・・・・そしたら・・・・支えてくれる手なんてなかった・・・・」
「・・・・・・うん、」
「・・・・っ・・・うっ・・・・報告・・・・したかった・・。
きっと・・・・一番にあなたが・・・・喜んでくれると思って・・・」
頬が生ぬるい物で満たされていく。
悲しくて辛くて。
自分があの歓喜に満ちた瞬間を思い出して、すぐに奪い取られたその瞬間。
何が悪いわけでも、誰が悪いわけでもない。
そう病院の先生に言われても慰めになんてならない。
私にはあの瞬間唯一の希望の光で、最後に縋れる彼とのつながりだったんだから。
でも・・・断ち切られた。
結果・・・・こうして離れている。



