「俺の目的~?」
「・・・・はい、」
「言っていいの?」
「・・・・・はい、」
「まぁ、大きく結論から言えば・・・」
「・・・・言えば?」
「千麻ちゃんと前みたいなセックスしたいなぁ。って」
「すみません。『痴漢です』って叫んでいいですか?」
それこそ淡々と、何てことない風に爆弾投げつけてきたよこの男。
馬鹿なのか?!
それがもう出来ないからこうやって別れてしまったというのに。
全く予想もしていなかった返答に思わず彼がしている格好と発言がマッチして切り返してしまった。
そして、反応した体に鳥肌が立って緊張が増す。
思い出さないで。
瞬時に自分の回想に走る頭に歯止めをかけ、ギュッと耐えるように目を瞑ってからゆっくりと開く。
そしていつの間にか止めていた呼吸を楽にしていけば、そのタイミングを待っていたかのように彼が私を見上げて口を開いた。
「と、夢をでっかく掲げてたんだけど・・・、まぁ、最初から無理だろうと自分でも思ってたし。今の千麻ちゃんの反応でまだまだ千麻ちゃんは【俺アレルギー】だと判断いたしましたぁ」
「・・・・・【アレルギー】?」
「そっ、だって俺のすべてにそうやって反応するでしょ?容姿から肌のぬくもりまで。この眼にも・・・」
「・・・・・まさかその為の犯罪者ルックですか?」
「犯罪者って・・・」
だって彼と言ったら昨日も疑問に感じたように、黒のパーカーのフードを被りその手には皮の黒い手袋をして、黒いズボンに黒いスニーカー、そしてその輝かしい緑を覆う黒いサングラス。
絶対に夜道に背後を歩いてたら犯罪者だと思われるでしょ。
だからきっぱりと情もなく言い切って呆れて見せれば、不満げにすぼまった彼の唇。
「酷いなぁ。全て千麻ちゃんへの愛情表現じゃない」
「・・・・・・必要ありません」
「そっ?感じてほしかったなぁ。
・・・・俺が千麻ちゃんのこの髪に愛情感じたように」
スッと伸びてきた黒い手袋に覆われた彼の指先。
でも瞬時に反応した体がビクリと身を引き背中にカウンターテーブルがぶつかった。
あっ・・・。
と、思ったのは・・・。
サングラスをしてても痛い程分かる彼の落ち込んだ微笑みに。
伸ばした手が私に触れること叶わず引き戻されていって、その手を確かめるように顔を下に向けた彼の姿。



