それでも・・・・変わらない。
そう言える彼の仕草や行動。
体を捻りソファーの背もたれに胸をつけ、腕を組んだ上に頭をちょこんと乗せて私を見上げる。
その口元の弧はどこか悪戯気で、一瞬全ての自分たちに起きた事はなかったんじゃないかって思うほど。
でも、そんな筈もない。
やはりじわりじわりと込み上げる不安で吐くほどの嫌悪感はないにしても体が強張って小さく震える。
それでも意を決して振り返ったのだから表情だけは気丈を見せて目の前の変わり果てた?と言っていいくらいの彼を見下ろした。
「・・・・・とりあえず・・・話して・・平気そう?」
「・・・・・かろうじて」
「良かった、今日くらいはメール対談を覚悟で来たんだけど」
そう言ってニッと口の端を上げた彼が携帯を持ち上げ言葉の意味を示す。
でも私が気になったのはその部分じゃない。
「・・・・・【今日】・・【は】?」
「うん」
「・・・・・それって含みに・・・・【明日も】と感じ取れますが・・・」
「違うよ、」
「そうですか・・・ならいいのでーー」
「明日も明後日も、・・・・その先もずっと?」
「・・・・・すみません。ストーカー行為はやめて頂けませんか?」
悪びれもなく『当然でしょ?』と言いたげに私を見上げる姿に片手で頭を支えると視線を落とす。
一体何を言い出すんだこの男は。
一緒にいることが負担でわざわざバツイチなんて汚名的称号をお互いにその身に掲げたというのに。
そもそも、その問題に触れる前に突っ込みどころが満載なのだ。
ああ、でも・・・やはり副作用。
体が緊張して前ほどスムーズに言葉が出ない。
何から問うべきか少し間を置き、ゆっくり息を吐くと覆っていた手をゆっくり外す。
「・・・・あの、」
「ん?なになに?」
「いったい・・・どういう意図で・・・・、その、何を目的として・・・接触を図ったのか理由が・・・」
「たどたどしい問い方~。らしくないねぇ。まぁ、俺のせいか・・・」
良かった自分の事棚に上げたまま言葉を終わらせたら大声出して犯罪者扱いするところだった。
怯んだ心でも芽生える苛立ちに、本当に相変わらずだと思ってしまう。
それに質問に対する答えにもなってないと目を細めて見下ろせば。



