その問いには複雑な返事しか返せない。
『会いたい』も本心であるなら『会いたくない』も本心なのだ。
会って顔を見て・・・・もう平気だと感じたい部分もある。
でも、会って、まだ許せなくて。
更にこの瞬間が痛みに作用するものであったらと言う不安。
どうすべきか・・・。
それでも・・・・、
呼吸は・・・・安定した。
声を取り入れた動揺も意外とあっさりと。
もしかしたらあの姿を捉えてのそれではないから現実的に体が捉えず、こうして早く体が順応したのかもしれない。
だって・・・まだ少し・・・恐い。
あのグリーンアイと視線を絡めたりするのが。
でも・・・・、
葛藤。
それも動揺した間も含めれば5分以上は彼を待たせている。
ああ、どうしよう。
真剣に目が泳いで至る所を見てしまう。
意思がまとまらずに困惑して、逆にその事に迷走しそうになった瞬間にパッと動きを見せるPC。
3度目のメール。
何か不満でも言われるだろうか?
そんな事を思いながら今度は躊躇いなく開いたそれ。
【俺は・・・会いたい】
狡いわよ。
そう思って・・・・・口の端が上がった。
相反して眉尻が下がって、息を吐きながら口元を両手で覆って目蓋を下す。
そして・・・
「仕事あるので手短にお願いします」
口を手で覆ったまま、ワザと不愉快に響かせゆっくりとその身を捻っていく。
言い切った瞬間に『フッ』と噴き出した音を確認し、彼も振り返ると理解した。
さぁ、私はあのグリーンアイに耐えられる?
一瞬は酷く緊張した。
早まった行動だったかと。
でも直後に呆けて不動になる。
カウンター席に座っている私に対して、ソファー席の彼は視線が下にある。
そうして下した視線も危惧したグリーンに絡むことなく、それでも捉えた口元は綺麗に弧を描いている。
客観的。
そう客観的に感じた感想。
昨日もそう思ったんだ。
でも、ああ、やはりあの人はやはり彼だったという事か。
「・・・・・っ・・犯罪者?」
「ねぇ、・・・記念すべき顔見ての第一声がそれ?」
「顔と言うには記憶する限り緑だったその目を捉えてないので」
そう、危惧したグリーンは黒いガラスに覆われている。
もっと言えば・・・そのサングラス、どこかで見た記憶があるんですが?



