頼むものもいつもと同じ。
ヘーゼルナッツのフレーバー。
ああ、でも・・・・たまには生クリームでもトッピングしようか。と注文時に追加。
何となく甘いものが欲しくなったのは緊張した反動だろうか?
でも解消した今癒されるようにその甘さを求めたのだ。
注文したそれを受け取りすでに起動済みのPCの前に戻っていく。
当然一瞬は警戒心を抱いて周りを見渡し、それでも今現在その場にいる人達はその顔を確認出来、見知った人物は存在しない。
やはり、昨日のは私の過剰反応によっての誤認。
そう今度こそ納得すると意識を仕事に集中し、PCの画面に自分を映しこんだ。
不規則だけども軽快にキーボードを叩く音を響かせる。
叩く度に完成度を増していく仕事にも気分は高揚する。
ただでさえ昨日の遅れもあって、今日は恙なくサクサクと仕事を成し遂げたいのだ。
と、言っても特別急ぎな仕事でもないのだけど。
それでも集中してしまえば時間も余計な思考も忘れる。
ただ電子的に光る画面を見続け時々コーヒーを口に運んで。
時間を示すように温くなる中身を確認しながら着実に目の前の仕事をこなす。
それでも・・・・いまだに癖がある。
それは・・・・5年分の癖。
ある程度の時間を経過するとプツリと仕事にキリを入れる。
しかも無意識に。
そして思うのは・・・・そろそろコーヒーを淹れるべきかと。
そう、彼の休息を促すコーヒーを。
その時間の感覚をまだ私の体は記録して反応するのだ。
今もそんな瞬間を迎え、気がついた瞬間に『ああ、』とうんざりして酷使した目を覆う。
いい加減この癖もどうにかしたと溜め息をついて、数秒その目に闇を下して休息を与えゆっくり光を取り戻し目の前の画面をぼんやりと捉える。
映し出されているのは私が打ち出した文字の羅列。
だいぶ進めたと満足して口の端を上げかけた瞬間。
パッと覆うように画面に映し出された表示。
何だ何だ?とその目を見開き、しっかりとらえたのはメールの着信表示。
PCにメール?
恭司か?
そんな事を思い片手で頬杖ついて新着1件の表示を何の気なしにクリックする。
完全なる無防備。
だって、そこまで警戒なんてしてない。
むしろアドレスなんて教えてもいない。
だからこそ・・・・予想外の爆弾を未然処理は出来なかった。



