ーーーーNEXT MORNINGーーーー
やはり少し躊躇う。
もしかして?という懸念を拭いきれなくて、
でも、不安だけではない本心も感じる。
でも凡そは不安。
だからこそ迷って、今日はこうして家でのみパソコンに向かっていようかと。
それでも・・・、勘違いなら?
別にあの人は自分に全く関係のない人であったのに、勝手に危険予測してあの店を避けるのも何だか生き苦しい。
やっとつかんだ生活のペース。
日課になっていることを今更意識して変えるというのはなかなか精神的にも疲れることだ。
そして確証もない事にグダグダ悩むのもストレスがたまる。
散々悩んでPCの画面を見つめ、最終的にその決断を下すとゆっくり立ち上がり電源を落とす。
脇にある鞄を手にするとまだ熱を持つ精密機械を中に収め、視線を時計に走らせ時間確認。
8時半過ぎ。
通常であるなら勤務時間。
そう、いる筈がない。
自分に言い聞かせ、更に昨日の恭司の証言で彼が昨日も会社にその身を置いていたことを上乗せする。
だから・・・見間違い。
過剰反応してはダメよ千麻。
そう何度も言い聞かせ、ようやく鉛のように重かった足が向きを変えて歩きなれているフローリングを動き出した。
首にストールを巻き薄手のジャケットを羽織ると玄関に向かう。
ロングブーツにズボンの裾を収め、玄関に一度置いた鞄をしっかりその手に持ち上げる。
そして扉を真正面に一度ゆっくり息を吐き、
「当たり前の日常よ・・・・」
そう最後に自分を励まし扉に手をかけその身を出した。
冷静になった瞬間に『不審者か?私』と自分に突っ込みを入れて羞恥に染まった。
そして懸念した問題をパッと見た限りでは捉えることなく、安堵すると気まずい心情抱きながら通いなれた店内に入り込んだ。
いつもと一緒。
出勤途中の人たちのレジの込み具合。
相反して空席目立つ店内。
その空席を埋めるわずかな人の中に危惧した姿は見当たらず、レジに並んだ姿の中にも見受けられない。
その瞬間に一気に解けた緊張感に安堵して、胸を抑えた手でストールを外していつものカウンター席に向かった。
流れる行動も一緒。
PCを取り出して起動してUSBをセットして。
ようやく空き始めたレジの列を捉えて今日の注文をしに行くのだ。
当たり前の日常。



