夫婦ですが何か?



だけど次の瞬間、保温されていた肌に外気が触れそんな興奮もしずかに冷める。


取り乱す事なくチラリと自分の体を確認する様に視線を落とし、またゆっくりグリーンに戻す。


分かりきっていたけれど胸の上まで押し上げられた、すでに私の私物化しているパーカー。


性欲疼きそうにない胸が晒され、外気が当たる感覚に不思議さを感じていれば彼の熱に包まれた。



「ねぇ、・・・本気になればいつだって無理矢理しちゃえるんだよ?」


「・・・まぁ、所詮私は女なので男である貴方が本気の力でねじ伏せれば位とも容易いでしょう」


「っ・・・、その【貴方】ってのも癇に障る。一線引かれて『近づくな』って言われてるみたいで」


「・・・はぁ・・・、子供の様な被害妄想ですね」



ため息混じりの言葉が再び逆鱗。


瞬時に首筋に食いつかれるとまだ2つ程残る紅にもう一つ加わる。


自分の所有物だと示したい彼の強引な所有印。


チクリと首筋に苛立ち刻まれ、そしてすぐに胸元にも刻まれた。


鎖骨より下。


微々たる胸の膨らみの上。


これまた難しい境界の接触に、拒絶しよう。とかいう気持ちは微塵も浮上せず。


むしろ、ああ、やはり。と確信。


だけども不機嫌を携えたグリーンアイの獣は今はその危険性をしめしたいらしく。


噛み付く様な牽制を与えると再び私の唇に唇を寄せる。


今度は駆け引きのない余裕のない接近。


そしてそれに今度は指先でなく阻みを入れたのは、



「一つ・・・」


「・・・あっ?」



触れる直前に声を挟めばピタリと止め私を見下ろすグリーン。


怪訝な表情で私の言葉に疑問返し、その時点で勝負はつくのだ。



「したいのならお受けします」


「・・・はっ?」


「でも、私を確実に満たして高めてこれ以上ない時間を与えて下さるのならご自由に」


「・・・・もし、・・満足しなかったら?」


「そうですね・・・、体の相性が悪い男とは1分でも時間を共にするのは無駄。明日には離婚届を書くのはどうでしょう?」


「・・・それ、狡くね?千麻ちゃんの本心なんてわからないじゃん」


「妻を信じきれない夫についていくのも無駄な事」


「っ・・・」


「諸々、よく思案の末行動くださいね」



淡々と言い切った時には見上げたグリーンからは狂気が消えた。


映るのは面白い位の躊躇いと葛藤。


そして私は選ぶ答えを知っている。