そんな瞬間に、
ああ、また・・・・悩みすぎた。
そろそろ本当に医者にかかるべきかもしれない。
すでに日課の胃の不快感に眉根を寄せて、目が眩むような感覚に耐えて立ち上がるとふらりとよろけながらトイレに向かう。
背後から雛華さんが名前を呼んだのが聞こえたけれど、立ち止まってその場で粗相をしでかすわけにいかない。
ああ、頼むから・・・・・吐き出すものが真っ赤な物でありませんように。
そんな微々たる願いで不快感与えるものを吐き出して安心する。
軽減した気持ち悪さと、危惧した赤さではなかった事に。
それでも・・・ああ、目が回りそうだ。
うんざりだと額に手を置き息を吐いた瞬間。
「つかぬことをお聞きしますがーーー」
「っ・・・」
驚いて振り返れば腕を組んで私の現状を冷静に傍観していた雛華さんがいて。
人様の家で失礼しました。と申し訳なく感じている私に与えられる言葉。
「茜は知ってるの?」
「・・・・知りません。・・・・彼がいないところで吐いてますから・・・」
そう言って口の端を拭って気まずい感情に耐える。
ああ、どうか雛華さんが彼に報告しませんように。
「問題ないです。時間見て病院に行きますから」
「あっ、まだ行ってないんだ。早く行った方がいいよ」
「なので・・・彼には言わないでくださいね」
「うん、俺から言うより千麻ちゃんから聞きたいだろうしね」
「・・・・・何を?」
病名か?
そもそも内緒にして心配かけたくないと言っているのに、どうも会話が噛み合わないと眉根を寄せると。
同じことを感じていたらしい雛華さんが先に何かに気がつき口元に手を添える。
そしてどこか納得してそのグリーンアイが悪戯に揺れる。
何だ?
「もしかして・・・・千麻ちゃんも気がついてない?それとも本当に俺の勘違い?」
「はっ?」
「・・・・ちなみに・・・・露骨に言うけどセクハラじゃないから。
・・・・・・最後に生理が来たのいつ?」
「最後は・・・・・・・・・・・・・」
思考の・・・・・停止。
暦を戻して記憶する前回の生理を思い出して、そして一気に現実まで引き戻せば・・・。
えっ?
今日・・・って・・・・何日?
いや、分かる。
毎日手帳を眺めているのだから日付ぐらい。



