いつだって・・・・。
巡りくる朝は一緒だ。
目蓋を開けて気怠い体をのそりと起こせば素肌に冷たい空気が触れて。
直後に・・・・痛む。
その瞬間に眉根を寄せて小さく息を吐いて触れる。
夜な夜な求められ痛い程彼の欲を受けた部分を。
一撫でしてまだ目蓋を閉じる彼を見つめる。
そしてあどけない寝顔を見た瞬間に小さくでも上がる口の端に、まだ自分が彼に愛情がある事に気がついて安堵するのだ。
馬鹿みたいだ。
私の感情お構いなしに抱いた男なのに。
あの悪化した夜からもう数日。
当然のように求められて痛みの伴う行為に沈められる。
そうして起きる朝は日に日に倦怠感に満ちていくのに。
今もぼんやりと眠る彼を見つめその疲労に僅かに休息を与えていた時間。
不意に胃に感じる不快感でベッドから抜けるとトイレに向かった。
でも、もうこれも慌てたりしない。
悲しくも慣れ始めた感覚で込み上げた物を吐き出して、その嘔吐物が赤くないことに安堵する程。
それでも力なく可笑しくもないのに笑って口の端を拭うと洗面所に向かった。
さぁ、・・・いつも通りの朝を作らなければ。
そうして、
何事もなかったように支度して朝食を作って、コーヒーが入り切るタイミングで彼が起きてくるのだ。
「・・・・・・おはよう」
「・・・おはようございます」
かけられた言葉に同じ意味合いの返事を返せば、キッチンの入り口で力なく微笑む彼がスッと動いて私に近づいて。
お構いなしに朝食の準備を続ける私の背後から抱きしめてくる。
耳元にかかる彼の息が熱い。
体を包むぬくもりも感触も・・・・まだ、好きだと心がざわめくものであるのに。
「・・・・・・・無理矢理・・・抱いてごめん」
「・・・・私が抵抗しない行為は【無理矢理】に当てはまらないのでは?」
これも日課の様な会話だ。
私を半ば強引に抱く癖に朝になると怯えて謝る。
それをしないと・・・私がいなくなるかのように。
だからこそ『何か問題が?』とさらりと答えていつも通りを継続させるのだ。
自分の痛むそこを誤魔化して。
毎日・・・・吐いている事を隠して。



