「俺が嫌いなの?」
再度響いた確認の声。
それにどこか必死で否定を示して首を横に振る。
違う、違うんです・・・・、
「違う・・・好きなんです・・・・」
「じゃあ・・・離れる必要ないじゃん。好きだったら・・・傍にいて、何でも打ち明けて・・・一緒に不安な事も乗り越えるべきじゃないの?」
「それはっ・・・、それも・・・正論ですけど。・・・・・恐い・・・・」
「何が?」
「・・・・・・自分の・・・・不安を打ち明けて・・・あなたが疲れていくのが。・・・・・・・・失望されるのが・・・」
そう・・・疲れて、呆れて、見放されたくない。
嫌われたくない。
それだけ・・・。
「・・・・・失望なんて・・・・しないって・・・・。
俺が何度言っても・・・千麻ちゃんは信用しないんだね」
「・・っ・・・」
「そうして・・・勝手に決めつけて・・・【1人】それが最善策だって・・・俺の気持ちお構いなしに離れることを決めてるんだ?」
「・・・聞いて・・せーー」
茜・・・・。
「違う・・・・・・、【1人】じゃないか・・・」
乾いた嘲笑とともに弾かれた言葉に呼びかけた名前が掻き消された。
名前を呼ぶ事は・・・・愛情表現だったのに。
「あの男と得た結論だ」
「っ・・・」
「当事者の俺は蚊帳の外で・・・、俺には打ち明けられない悩みをあいつには話せるんだもんね?」
「・・それは・・・」
「疲れたよ・・・・」
「・・・・」
「千麻ちゃんの言うとおりに・・・・・本当は疲れてる・・・」
痛い・・・・痛い痛い痛い・・・・。
自分の胸が・・・・彼の悲痛な表情が。
そして突きつけられた彼の私への感情が。
鋭利で・・・一気に突き刺さる。
「疲れてるけど・・・・・・、好きだから・・・傍にいて支えたかった・・・・」
「・・・っ・・・・せ・・ん・・・」
「離れて・・・・・俺といない間・・・あの男にでも縋るの?」
喉元が・・・・熱い。
息苦しい。
違う!そう叫びたいのに・・・・上手く声が出ない。
馬鹿みたいに首を横に振って・・・。
彼の為に伸ばした髪が頬をくすぐる。
そして張り付く・・・・頬を濡らした涙のせいで。



