夫婦ですが何か?





悩み?


戸惑いながらただ見つめてしまえば。



「・・・・ねぇ、不安なら全部吐き出して。俺は失望しないから・・・・」


「・・私は・・・」


「俺には・・・・今の千麻ちゃんにはこの指輪が重すぎてバランスを取れてないように感じる・・・」



彼の指先が私の手を滑って石に触れる。


瞬時にその手を引っ込めたのは今にもその繋がりを奪われ断ち切られるんじゃないかと怯えたから。


彼によって収まりつつあった動悸が、彼によってまた乱されて。


下がりそうな眉尻を必死に保つと首を横に振る。



「大丈夫です」


「・・・・千麻ちゃん、」


「本当に・・・・大丈夫なんです」




言いながら抱き寄せられていた体も距離を取って、必死に口の端を上げて気丈を振る舞う。


そうして捉えた彼の・・・・・悲痛な笑み。



「・・・・・・俺には、・・・・・作って笑わなくていいのに・・・」



あっ・・・。


彼との接触が途絶えた。


視線もスッと外れ、触れ合う面が一切なくなった距離。


そして・・・無意味な私の作り上げた口元の弧。


本当だ・・・・・


さっき出来なかったそれを、


何で私は彼に向けているんだろう。


彼の示した優しさに背中を向けて・・・。




沈黙。


最初のそれよりもっともっと重い。


ミシミシと重みに耐えきれなくなっている不協和音がお互いの耳に響いてる。


どうしたら・・・・いいの?






捉えた彼の指先。


その手に・・・指先を絡めようかとも思ったのに。


それすら出来なかった。







すれば・・・・・・彼が積み重ねて自分の中でため込んでいた不安も緩和した?















それすら気がつかなかった私はダメな女だったのですね。