そして気がつく。
ほら・・・・仕事にも影響したと。
危惧した問題の現実化。
瞬時に落胆して目を閉じる。
軽減していた筈の感情が一気に戻って、引いていた分津波のように大きくなって自分にかかる。
でも彼は悪くない。
彼は割り切って仕事の上で私を責めただけ。
だからこそ・・・・・自分だけが徐々に割り切れていないのだと気がつき苦しい。
お願い・・・失望しないで。
今も昔も・・・・・あなたの失望だけが怖い。
隣り合う資格がなくなるのが怖いの。
用意した車にいつものように並んで座り、それでもさっきの余韻引きずる沈黙の重みが痛い。
部屋から車中に移動するまで口を開かず、ずっと不機嫌を現わすような無表情の彼に当然声はかけられず。
高まる緊張感に体の不快感。
吐きそうだと感じる。
心臓がもうずっと高鳴っていて、こんなに継続して早鐘を打ったら寿命が縮むのではないかと言うほど。
苦しい。
「・・っ・・・・」
ビクッと反応して眉根を寄せ下した目蓋をパッと開けた。
そうして自分の指先に絡んできた彼の指先に胸がざわめき眉尻が下がる。
僅かに怯みながらゆっくりと視線を動かし、さっきまで恐怖の対象であったグリーンアイに移した。
瞬間・・・泣きたくなる。
「・・・仕事だから。・・・・・でも分かってるから・・・」
全部理解してるからと、困ったように柔らかく微笑む姿。
だから・・・どうしてあなたはそう・・・。
「・・・っ・・・はい、」
「泣き声、」
「な、泣いてませーー」
「はい、鼻声~、仕事中なので泣かないでくださーい」
「っ・・分かってます!!」
「出たよ、逆切れ・・・」
困ったように小さく噴き出した彼に心底力が抜ける。
その瞬間に堪えていた涙が零れて落ちて、それが合図として止まらない涙に必死で手で押さえ。
そんな私にハンカチを押し付ける彼が肩を抱いて引き寄せる。
「失望したんじゃないからね。・・・上司としてお説教しただけです。有能な千麻ちゃんを鍛えてるんですよ?」
「あなたに鍛えられるくらいじゃ私もまだまだですね・・・」
「また、そんな可愛くないこと言って。車中くらいは上司やめて千麻ちゃんの悩み聞いてあげようと思ったのに」
言いながら『ね?』と微笑み、促してくる彼を涙目で見つめる。



